これからの住まい

これからの住まい〜私の選択〜File3

海と山がある糸島で
二人の時間を生きていきたい
(畑間孝雄さん・啓子さん)

「僕が今あるのは妻のおかげ」という孝雄さんと、「一番の趣味は夫」とのろける啓子さん

古民家ではじめた セカンドライフ
 3人の息子が独立し、夫婦二人だけのセカンドライフを福岡県の西端、糸島市福吉に求めた畑間さんご夫婦。孝雄さんは地元の方から借りた畑や果樹園で農作業に励み、地域のコミュニティバスの運転手を務める。収穫した柑橘からマーマレードをつくり、産直市場に出荷するのは料理上手な啓子さん。公民館のサークル活動や移住者のお手伝いで飛び回る。「一期一会を大切にしたい」と、地域の仕事を積極的に引き受けてきた。
 二人が暮らすのは築90年の古民家。玄関からキッチン、リビングダイニングまでが見渡せる開放的な空間に、陶芸家のご夫婦がお茶を飲みに立ち寄り、大漁だったからと地元の漁師さんが差し入れにやってくる。さまざまな人が訪れるのは、居心地のよさ以上に、二人の人柄に惹かれてのことだろう。

大切にしたい二人の時間
 2015年から、使っていなかった2階のベッドルームを利用して、ホームステイ型民泊をはじめた。ウェブサイトに登録したとたん予約が入り、これまでに24カ国約500人のゲストを迎えてきた。糸島の自然が素晴らしかったという声以上に好評なのは、二人のホスピタリティ。「とてもくつろげた」と、リピートする人も多いそうだ。


▲改築を重ねた居心地のいい空間。薪ストーブもこだわったアイテムの一つ

 移住から8年。地縁のなかった糸島で、友人を増やし、新しいトライを続けてきた。しかし田舎暮らしも民泊も、計画していたわけではないと話す。目の前のおもしろそうなことを選んでいったら、今につながったと、どこまでもフラット。孝雄さんには忘れられない情景があった。大学生の夏休みに遊びに行った軽井沢。夕暮れのなか、「腕を組んで散歩していた老夫婦を素敵だと思ったんです。それが結婚観の原点」と語る。
 出会ってから半世紀以上。動から静への変化のなか、穏やかで充実した日々は進行形だ。


(左)JR福吉駅すぐのアクセスや倉庫も購入の決め手に/(右)ゲストのアルバムは二人の“宝物”。192カ国の宿泊施設を紹介しているサイト“Airbnb(エアビーアンドビー)”を介して予約が入る

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