ミュージック

【音楽】「PAUL BLEY/NHØP」(スティープルチェイス ’73年録音)ポール・ブレイ/ニールス・ペデルセン

切れ味鋭い感性が煌めくピアノとベースのダイアローグ

’70年代、米国ジャズ界の勢いは失速し、活動の場を失った数多くのアーティストらは欧州へと渡った。カナダ生まれのポール・ブレイもその一人だ。その後、西独のECMレコードから「オープン・トゥ・ラヴ」の発表を機に話題が高まり、デンマークのレーベル、スティープルチェイスから当時の第一人者で重鎮ベーシスト、ニールス・ペデルセンとのデュオアルバム録音のチャンスを得た。同世代の人気ピアニスト、チック・コリアやキース・ジャレット達とは趣が異なり、彼にはブルース、フォーク、ラテン、ファンキー等の要素は全く無く、現代音楽風で硬質なイメージを発散する。当初はフリージャズの先駆者、オーネット・コールマンの影響によりタイムの取り方が微妙で、決して安堵感に浸れるというイメージではなかった。だがスーパー・テクニシャンのニールス・ペデルセンの神懸り的な演奏によるサポートを受け、ポール・ブレイの甘美で耽美的なナルシズムの世界が十分に発揮されている。昨年、スティープルチェイス創設45周年記念で、CDとして再発売された。この作品群の中で本作は最重要な存在である。

今回ディスクユニオンの「THINK!RECORDS」から発売されたCDのジャケットはモノクロ写真に赤文字だが、発売当初のレコードは白抜き文字の地味なものだった。

相川 潔
元広告会社社員・長崎市生まれ熊本市在住。
ジャズ、ロック、ソウルなどのレコードを追い求めて数十年。名盤、奇盤多数。
レコードは盤、ジャケット、再生機を含めて楽しむべき芸術だと思います。

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