暮らしの器 日々の食卓彩る、器の魅力

Date:2014年03月26日09時48分 | Category:特集 | Writer:ぐらんざ編集部
 

 毎日つかう器だからこそ、お気に入りのものを見つけたい。


 陶磁器産地の宝庫・九州に住んでいるからこそこだわりたい、

 器のはなしをしましょうか。






 江戸時代―、関所を設けてまで流出を守ったその技術。鍋島藩の藩窯として、藩の庇護を受け高い品質と技法とを維持してきた鍋島焼が、今、にわかに注目を浴びている。

 将軍家や諸大名への献上品としての役割を担った鍋島焼の特徴のひとつはその色付け。下絵の具は藍色、上絵は赤・黄・緑の3色しか使われてはいない。厳しい規格を有する中、腕を磨いた職人たちが描く絵柄は、その濃淡や余白とのバランスなどで、とてもたった3色だとは思えないほどの華やかさがある。江戸時代のお殿様の美的感覚には脱帽してしまうが、まるでヨーロッパのルネッサンス期と同じように、お殿様の権威のために花開いていった芸術性は、今の時代に新たな刺激を与えている。

「職人、デザイナーたちが新しいものを作るときには、古陶磁をみてヒントを得ています。先人たちが伝え守ったものを新しい解釈をしながら、現代のライフスタイルにあった器つくりができたらいいなと思います。器を手に取っていただき、自由な発想、解釈で形にとらわれずに使っていただきたいですね。例えばガラス食器を組み合わせて使って、洋食を盛りつけていただいても、モダンで素敵な食卓を演出できます」と、青山せいざん窯の若おかみの川副貴子さん。

トラディショナルな新しさ―、相反するこの感覚を愉しませてくれる器が、伊万里にはある。


鍋島の隠れた名品とも言われる鍋島青磁。



洋食器と見紛うほどスタイリッシュな絵柄も、江戸時代から伝わる伝統柄を今風にアレンジしたもの。



透き通るような白肌に呉須の濃淡で美しく咲き誇る花。洋菓子をのせても映えそうなこのお皿は、この春の新作。




今回お話しをうかがったのは、伊万里鍋島焼窯元◎青山窯
青山窯では、4月29日(火・祝)〜5月5日(月・祝)に、GW特別セールを行います。
※詳しくは青山窯までお問合せください。

佐賀県伊万里市大川内町大川内山
☎0955・23・2366
ホームページ http://www.kawazoe-seizan.com




 桃山時代―、お茶文化が発展していたこと、そして豊臣秀吉が朝鮮半島へ出兵したこと、それを無くして唐津焼の完成はなかったのかもしれない。日本の茶人たちの間で珍重され、もてはやされていた「井戸茶碗」など、高麗の焼物技術は、当時、かなり進んでいた。そんな中、朝鮮出兵により陶工が来たことで、朝鮮の良さと日本の技術とが融合されていく。茶人に愛されていた唐津焼はこの時、大きな契機を迎えたのだが、朝鮮の焼物の良さを見いだした、日本の茶人の美意識がなければ今の唐津焼の見事な造形美は見られなかったのか…。

「唐津焼は器が素朴だから料理をよく引き立ててくれます。主張しすぎないのは、やはり“用の美”、使ってこその美しさです。使っていくと唐津焼は変化していきます。それが面白さであり、いいところですね」というのは、唐津焼をはじめとした陶磁器の魅力を知り尽くしたギャラリー一番館の坂本直樹さん。

 唐津焼は土などの素材にこだわっているのも魅力のひとつ。多くの作家は自分で山に入り、土を探すところから器作りを始める。また薪での窯焚きにこだわる作家も多い。それがひとつひとつに表情を与え、上品さや造形的な美しさがうまれていく。

 今、唐津焼では若手作家の活躍が目覚ましい。「若手作家それぞれが桃山時代の古唐津を手本にしながら、多様な作品を生み出しています。古唐津を彷彿とさせる茶碗から洋皿まで枠にとらわれないものが多いですね」と坂本さん。

 若い力が生み出す焼物の奥深い魅力に、唐津で触れたい。






作家:14代中里太郎右衛門
料理:唐津迎賓館






作家:内村慎太郎




「絵唐津茶碗」
作家:12代中里太郎右衛門

草、花、鳥、人物や幾何学文など、陶工の生活の身近にあるものが指や筆で描かれており、素朴ながら繊細で力強い表情を生み出す。唐津焼のなかではもっともポピュラー。




今回お話しをうかがったのは、ギャラリー一番館
佐賀県唐津市呉服町1807
☎0955・73・0007

唐津やきもん祭り〜食と器の縁結び〜
期  間: 4月29日(火・祝)〜5月5日(月・祝)
会  場: 唐津市中心市街地(唐津市中央商店街、旧唐津銀行、アルピノほか)
主  催: 唐津やきもん祭り実行委員会
お問合せ: (一社)唐津観光協会内
     「唐津やきもん祭り実行委員会」☎0955・74・3355