上手にできていますか?病院とのつきあい方

Date:2014年04月25日14時34分 | Category:特集 | Writer:ぐらんざ編集部


医療に求めることは、何ですか?

「上手に病院とつきあっていますか?」と聞かれ、「はい!」と答えることができる方はどのくらいいらっしゃるでしょうか。ぐらんざ読者の約76%の方は病院とうまくつきあっていて、満足しているとお答えでした(2013年7月実施アンケートより)。なかなか高い満足度ですよね。しかし中には、相談がしづらい、先生の説明が分かりにくいなどの声もチラホラ…。医療を受ける上で相談がしづらいというのは、医療チャンスを損なっているのも同然です。

 そこで今回は、広瀬病院 地域医療連携室で医療ソーシャルワーカーとして医療の現場に携わる梶平幸子さんに、今の病院・医療の事情と、医師と患者が円滑なコミュニケーションを図るためのヒントをうかがってきました。

今回、お話をうかがったのは
医療法人社団 広仁会 広瀬病院 地域医療連携室 主任
医療ソーシャルワーカー
福岡県医療ソーシャルワーカー協会理事
梶平幸子さん



読者に聞きました。
「同世代の人たちは、病院とどう付き合っているの?」
素朴な疑問を、読者アンケートにてお伺いしました。―2013年7月実施―


Q・現在、身近に何でも相談できる“かかりつけ医”はいますか?

「あまり病院にいかないから…」という理由で、かかりつけ医を持っていないという声多数!
しかし、信頼のできる医師には急には出会えないものです。
意識を持ってかかりつけ医探しをすることがいざという時の備えになります。

Q・これからの医療に期待するものは何ですか?

1.他の病院との連携
2.健康診断部門の充実
3.健康のための指導


「医療=治療」というのはもちろん、「医療=予防」という意識が高まっているようです。
最近では予防的アドバイスを行なっている医療機関も増えてきていますので、うまく活用していきたいものです。



上手につきあうために知っておきたい、最近の病院・医療事情


かかりつけ医の役割とは?


 ズバリいちばん身近なお医者さん。何かあったらすぐに相談できて、親身に相談に乗ってくれる、日々の健康管理をしてくれる医師というのが、かかりつけ医の大前提です。

 近年では医療が専門分化しており、資格を持って専門分野に特化した診療をする医師も多くなっています。そんな状況下で、自己判断だけで適切な病院に辿り着くのは難しくもあります。

そんな時こそ頼りにしたいのがかかりつけ医です。日々の健康状態をきちんと把握してくれたかかりつけの先生ならば、自分には本当に精密な検査が必要なのか、その検査に必要な設備が整っている病院はどこなのかなどを、適切に紹介してくれるのではないでしょうか。

 比較的ストレスなく、良好に医療をスタートするためにも、信頼できる医師の存在は心強いもの。しかし、信頼関係は一朝一夕には築けるものではありません。健康だから…、自己管理をしっかりしているから…と過信は禁物です。いざという時のためにもかかりつけ医は必要な存在といえそうです。


病院完結型から、地域完結型へ。

 医療の専門分化が進んでいるということは、それぞれの病院に課せられた機能も明確になってきたということです。それがゆえに、いわゆる紹介状がないと受診ができない急性期病院などがあるわけです。場合によっては、医師からの紹介状がなければ保険診療の自己負担分以外の費用が発生し、費用面での負担が大きくなることも…。

「大きな病院だからすべてが完結するというわけではないんですね。もちろん、命を助ける、手術をする、特別な検査をすることに関しては長けていますが、それはリハビリまでが充実しているか、療養の環境が整っているかとは別なんですね。

病院を移るというのは抵抗があるかもしれませんが、社会復帰に向けた医療のカタチという意味では、専門のスタッフが多くいる適切な機能の病院で医療を受けるということが大切になっています。

今まではひとつの病院に入院したら治るまでずっとそこにいて、治ったら家に帰るという“病院完結型”だったのですが、今は“地域完結型”になっています。

一つの医療機関だけではなく、それぞれの方の症状や必要な医療サービスに対する専門の病院で、いかに早期にケアを受けられるかということが早期の回復につながります。

病院間も連携をとることで、最終的に患者さんが自宅に戻れるようになるのをみんなでサポートしています」と医療ソーシャルワーカーの梶平さん。

 また、患者さんによっては次の療養先がなかなか決まらないなど、不安がありますが、医療ソーシャルワーカーや看護師と、これからどういう生活をして、療養していきたいのかをよく話し合って選択していくことが大事だと梶平さんはいいます。変わりゆく医療のカタチに対して、意識を切り替える必要があるのかもしれません。


振り返ろう、患者としての心得。


医師の話をまずはよく聞く。


 みなさんご経験があるかと思いますが、“信頼のおける先生”を探すのはとっても難しいことです。クチコミ情報でいいと評判だからといって、自分にとっていい医師かどうかはちゃんとコミュニケーションをとってみないことには分かりません。医師とのコミュニケーションをどう円滑に図るべきなのか…という不安・疑問に梶平さんがアドバイスをくださいました。

「今はテレビやインターネットなどでいろんな情報を知ることができるので、事前にいろいろ調べて先生に聞きたいことがたくさんある方もいらっしゃると思いますが、まずは、専門家としての説明を先生からしっかり聞いていただくことが大切だと思います。

先生のお話しを聞いた上で、分からない言葉について質問する。先生の話だけでは分かりにくい場合は、看護師さんに不安なことを伝えてみたり、この検査はどういう検査ですかと専門職の人に聞いてみるのもいいと思います。

また、先生に聞きづらかったことがある時などは、地域医療連携室の看護師や医療ソーシャルワーカーに、どうやって聞いたらいいかたずねてみるのもオススメですね。

それでもどうしても治療方針を決められないとか、納得がいかないというときは、別の病院でセカンドオピニオンを受けるという方法もあります。セカンドオピニオンは、患者さんの権利として認められているので、そういう検討をしてみるのもいいでしょうね」。

 医師と患者といえども、人と人の関係。相性というのもあるでしょうが、だからこそ一方的ではないコミュニケーションが大切ということでしょうか。多く溢れる情報をうまく取捨選択しながら、目の前にいる医師とのいい関係を築いていくことが大切ですね。



“健康メモ”を 記しておく。


 病状や病歴をきちんと伝えることが苦手という方にオススメなのが、健康メモだと梶平さんは言います。

「例えばこの日から熱が上がり始めて、市販の薬を飲んだけど効かなかった、などのメモを取っておくと、病状の経過が先生に伝わるので、今の症状と検査の結果を照らし合わせてどうなのかという判断をすることができるようです。

あまり細かくメモをすると神経質になることもあるので、大事なことだけを簡単に記す程度でいいと思います。健康メモを付けていると、ご自分の健康や生活リズムの目安にもなりますし、先生に伝える際のコミュニケーションツールにもなります。

どうしてそういう症状がでたのか、どの時間帯に出やすいか、何をしたから今日は腰が痛いなど、それが病気と関連があるかどうかは別として、自己管理をするということは、予防的観点からもとても大事なことです」。

手帳の片隅に気になる身体の変化を記すことから初めてはいかがでしょう。