健康特集

Date:2014年10月31日13時05分 | Category:特集 | Writer:ぐらんざ編集部
日本全国で130万人が悩む
“関節痛”について考える




シニア世代に多い“関節痛”
 日本全国で関節痛に悩む患者数は130万人と言われています。また一日あたり、人口10万人に対して約190人が関節痛で通院しており、外来受診率は全体の第5位。

その数値は年々増加傾向にあります。また65歳以上の女性の3人に1人は関節痛に悩んでおり、40代?50代で痛みを感じ始めたと答えているというデータも。さらに、膝などの関節痛でつらい事は「階段の昇り降り」が最も多く、「和室での生活」、「遠くへの外出」、「車の乗り降り」、「掃除」などが挙げられています。

これから冬を迎え痛みも増す傾向にあり、関節痛でお悩みの方は要注意。今回は気になる関節痛について『福岡リハビリテーション病院・福岡リハ整形外科クリニック』、理学療法士・平川善之さんにお話を伺ってきました。

放置すれば症状は悪化・・・ 我慢しないで病院へ
 「関節痛は頸部、腰部、膝などに多く見られます。なかでも膝関節痛は“変形性膝関節症”という診断名で、このために受診される患者様は非常に多いです。

これは加齢とともに発症する病気で、体重のかかる膝関節の軟骨がすり減り、骨が露出し骨のトゲができて、痛みや腫れ、運動障害を起こす進行性の慢性疾患です。ちなみに、体の“慢性の痛み”は都市部や管理職の方に多くみられる傾向があるとも言われています。

日常的な運動不足やストレスなども関係しているのかもしれません」。
 
 
 今や日本は世界有数の長寿大国ですが、寝たきり世界一でもあり、病院のベッドで亡くなる数も世界一と言われていますね?


 「そうですね。心身ともに自立して、健康に生活できる“健康寿命”の重要性が言われて久しいですが、この“健康寿命”を2020年までに1年延ばすと、2025年には5兆円の医療費削減が期待できる、との試算もあるそうです。その為、“歩け歩け運動”などが各地で広がっています。“メタボ”や筋肉・骨・関節・軟骨・椎間板といった運動器の低下をきたした“ロコモ”(運動器症候群)を減らして筋力をつけ、健康寿命を伸ばそうという取り組みです。つまり、関節痛には筋力をつけることも重要なことの一つなんです」。

 
 先程、“変形性膝関節症”が多いといわれましたが?


 「はい、膝痛に関しては、日本人のほとんどは内側が変形して痛くなる傾向があります。日本人はO脚が多いからと言われています。膝痛の原因はいろいろありますが、やはり加齢による影響が大きいでしょう。筋力が弱くなるからです。

体重の増加や太ももの筋力の低下などが考えられます。これから寒くなると、気圧が下がり、痛みも強くなる傾向になります。気温の変化には、注意が必要かもしれません。いずれにせよ、痛みのある人は我慢しないで、まずは病院に行かれてみてください」

と平川さんは取材に答えていただきました。


参考/厚生労働省
 平成23年 我が国の保健統計より


◎お話を伺ったのは…

『福岡リハビリテーション病院・
福岡リハ整形外科クリニック』
リハビリテーション部・運動器リハ課長
理学療法士

平川善之さん





自宅でテレビを見ながらできる簡単トレーニング!



道具不要!
自宅でいつでも筋力作り

 普段の生活に軽い運動を取り入れると、身体は丈夫になり転倒予防等にもつながります。足・腰・膝・腹部の筋力アップやバランス、歩行能力が改善されるので、日常生活の活動範囲も広がります。

健康・体力づくりと言っても、激しいスポーツをする必要はありません。年齢や体力、健康状態にそって無理のない運動を続けることが大事です。

 今回は『福岡リハ整形外科クリニック・福岡リハスポーツメディカルセンター』健康運動指導士・フィットネストレーナーの伊藤文隆さんに、普段の生活の中で簡単にできるトレーニングを教えていただきました。

「特別な器具や技術を使用しなくても自宅でできる簡単なストレッチ体操と筋トレをご紹介します。ストレッチ体操を行なうと、個々の身体状況に合った適度な刺激が筋肉に与えられ、障害や老化の予防などが期待できます。

加齢により硬くなった筋肉にもストレッチ体操は非常に重要で効果的ですね。コツは、息を大きく吸って時間をかけて吐くことです。

全て息を吐くのを意識してみて下さい。ご紹介するトレーニングは、全部行う必要はありません。どれかひとつでもいいです。できれば毎日続けて下さいね」。

―継続性が大切なのですね。毎日やればやるほど効果は期待できますか?

「もちろんです。時間を決めて行なうのはいかがでしょう?例えば朝ドラを見ながら体操する。これなら続けられますよ。ごはんの後の体操もおすすめです。食事後に運動すれば、血糖値がコントロールできるからです。トレーニングは、最初はストレッチで身体をほぐしてから筋トレに移って下さい」。

―最期に、関節痛の予防や気をつけたほうがよいことを教えてください

「そうですね、やはり同じ姿勢をずっととらない事ですね。無理は絶対にしないで下さい。腹六分ぐらいの運動がちょうどいいですね。すでに痛みがある方は、まず病院に行って医師の診断を受けてくださいね」。





◎お話を伺ったのは…
『福岡リハ整形外科クリニック・
福岡リハスポーツメディカルセンター』
健康運動指導士/フィットネストレーナー

伊藤文隆さん