欧州うまかもん紀行

Date:2017年02月15日09時01分 | Category:ぐらんざ特派員欧州紀行 | Writer:佐藤さゆり
第14回 ベルギー・カルボナード フラマンド
Les Carbonades Flamandes




冬を楽しむ、
食べるベルギービール。


ここ数年、暖冬続きだったベルギーにも、いつもの厳しい冬が戻ってきた。寒い。その上、曇天の日が続くので気分もふさぎがちになる。ビールでも飲みに行って、気晴らしするか!という気分にはとてもなれないが、ここはビール王国。冬には冬のビールの楽しみ方がある。
それが、カルボナード フラマンド 牛肉のビール煮込みである。中世時代から伝わるベルギー北部フランドル地方の郷土料理。冬季になるとレストランのオススメとしてメニューに並ぶようになる。

牛肉と炒めた玉ねぎを修道院タイプのベルギービール(ブラウンビール)で煮込んだだけの素朴な料理だが、フォークで簡単にほぐれるほどの牛肉の柔らかさとビールのもたらす甘みにちょっとした驚きがある。「甘くて柔らかい!」というのが、初めのひと口で持った印象だ。

 冬場の家庭料理としても親しまれており、マッシュルームやセロリ、ニンジンなどの野菜を加えたり、マスタードをソースの隠し味にしたり、それぞれの家庭伝わるオリジナルの味わいがあるよう。体を温める「食べるベルギービール」。材料を手に入れて、是非、レシピに挑戦していただきたい。


牛肉のベルギービール煮込み (6〜8人前)


ジビエ、うさぎ、豚肉、牛肉
素材を引き立てるベルギービール


 我々日本人にとって、ビールはあくまでも飲み物であって、日本酒やワインのように料理に使うという発想はほとんどないのではないだろうか。ビールといえば、ホップの風味と苦味が持ち味のラガービールが脳裏をかすめ、この苦味が料理をおいしく仕上げる??はずがないという気がする。
 しかし、しつこいようだが、ここはビール王国ベルギーである。国内には1000種を超えるビールがあり、肉の煮込み料理に適しているビールも存在。フルーツタイプや修道院タイプがそれにあたる。スッキリ軽い味わいのラガービールとは正反対の深いコクでしっかりとした味わい。アルコール度数も6〜9度と高いだけあって、お腹にどっしりとくるビールだが、煮込みに使用すると酵母が肉を柔らかくし、味に甘味と深みを与えてくれる。なかでも、フルーツビールとジビエや豚肉の相性は絶妙で独特の臭みを飛ばしパサつきがちな肉を甘くしっとり仕上げ、素材を引き立ててくれる。

飲んでよし!調理してよし!ベルギービールはなかなか奥が深い。