旅特集 匠の技を訪ねて

Date:2017年03月17日13時01分 | Category:特集 | Writer:ぐらんざ編集部

全国各地で、脈々と受け継がれている「伝統工芸」の匠の技は、
その土地ならではの気候、歴史、文化が生み出したもの。
匠の技を訪ねて旅をすれば、ただ見るだけではわからない、
「伝統工芸」の奥深さが見えてくる。




個性豊かな形や図柄がほどこされた丸亀うちわは、温暖な気候で知られる四国香川県で生まれた伝統工芸。じっとり蒸し暑い日に涼をくれる丸亀うちわは、湿度が高い日本ならではの工芸品だ。分業で多くの職人が携わり、完成する丸亀うちわは、一つひとつの工程に精度の高さが求められる。機械では対応できない細やかな職人の技が光る逸品だ。


紙を貼った従来のうちわに比べ、表・裏両面に薄い透かし織の布を貼り合わせた『風布』は、手に持って軽く、やわらかな風を運んでくれる。見た目にも上品で雅なうちわ。




丸亀うちわの伝統工芸士と、地元香川県のデザイン会社「Bharlys」がコラボしデザインしたもの。伝統だけでなく、新しさを取り入れている点も今も変わらず愛されている理由だ。





(羸茲茲衞5cm〜10cmのところまで手作業で切り込みを入れる「割き(わき)」と呼ばれる工程。このとき、幅にばらつきがあると綺麗な扇面にはならない。素早く均一に切り込みをいれる様子は正に職人技。

∈戮割(さ)かれた竹を糸で編み、うちわの形に成形する「つけ」という工程は、左右のバランスが命。偏りなく編んでいかなければ、扇面に美しく紙を貼ることができなくなる重要な工程だ。

紙や布を貼りつけ、よく乾かした後は「たたき鎌」という道具を使い、余分な部分を切り落とす工程「たたき」。切り落とす場所によって扇面のデザインが生きるか死ぬかが決まる重要な工程。一つひとつの工程の精巧さが製品の完成度を左右する。

◎取材協力
香川県うちわ協同組合連合会
☎0877-24-7055(うちわの港ミュージアム)
香川県丸亀市港町307-15



着物好きなら誰しもが憧れる大島紬。絹独特の光沢感と肌触り、そして緻密に計算された幾何学模様…。反物が出来上がるまでには、何人もの職人が携わる大島紬。糸作りに6〜10ヶ月、さらに織りの工程では、熟練の職人でも1日で30〜40僂曚匹靴織り進めることができない。普段着の紬だからこそ、技術の粋を集めた最高のものを…上質を知る大人が身に纏いたい伝統工芸品だ。


まるで芸術品を纏っているかのような、大島紬の着物。糸を先染めし、織で柄を表しているので、立体感のある美しさが漂う。3代受け継ぐことができるという丈夫さも魅力。




最近は、ハンカチや財布、ネクタイなど大島紬を使った様々な小物が生み出されている。手軽に購入しやすく、毎日の生活に取り入れやすいので、人気が高まっている。







ー嵶愬澆箸いμ擇鮗兔个靴娠佞20回染め、最後に泥で染める。この工程を5回くり返すことで、車輪梅のタンニンと泥田の鉄分が化学変化し、大島紬独特の光沢ある黒い絹糸に染め上がる。

大島紬の精緻な模様は、糸一本一本に細かな模様をつけていくことから始まる。反物になった際のデザインを元に計算された糸の染色場所は、少しの間違いも許されない。

最後に反物を折る作業は女性の仕事。湿度によって糸が伸び縮みするので、爪先を使って柄を微調整していく。細かな柄を織れるようになるまでには10年かかるそう。



◎取材協力
株式会社大島紬村
☎0997-62-3100
鹿児島県大島郡龍郷町赤尾木1945



紫式部が『源氏物語』を記した際に使ったと言われる、若田石硯。当時、京都の貴族たちの間で広く愛用されていたと考えられるこの硯の原石は、長崎県対馬で産出するもの。この地で採れる硯の原石・頁岩の微粒子は、墨をなめらかに摺るのに程よい細かさ。また、自然石独特の風合いも風雅で、時を越え、今もなお粋人たちに喜ばれている。


蓋付の硯は、もともと一枚の石だったのが、自然剥離したもの。蓋をとじるとより自然の美しさ、逞しさを感じられるようなデザインだ。





硯上部には、石に含まれていた木の葉の化石がそのままに残るのも自然石を使っている硯ならでは。太古の昔に想いを馳せて。









仝Г鼎りは、原石を採掘し、見極めることから始まる。石を叩いて、その音だけで見た目ではわからないヒビなどを確認する。また、外側のはがれそうな部分はこのときにタガネでそいで堅牢な硯になるように石を整える。

硯の面と縁を整形する際は、ただ形を綺麗に整えるのではなく、原石が持つ風合いを活かすため、自然肌を残すことが大切。縁の尖った部分は柔らかな指触りになるよう、スクイノミで削る。どこをそのまま残し、どこを削るのか。センスが試され、失敗の許されない工程でもある。




K脇欧斑咾鯏崟个巴寧に磨きあげていく。元々の原石の形や大きさによって、墨堂や池の大きさも異なるので、砥石も大小様々な砥石の中から適した砥石を選んでいく。この後、磨き上げ、漆仕上げと銘入れを行い、完成する。



◎取材協力
元祖 若田石硯彫刻(満山家五代目) 二代目 芳秀堂
☎0920-52-7670
長崎県対馬市厳原町西里161-1