『あか毛のバンダム』『ちゃぼのバンダム』

Date:2017年04月20日13時01分 | Category: | Writer:六百田麗子
『あか毛のバンダム』『ちゃぼのバンダム』

子どもたちに
人生へのやわらかい信頼に導く


今年の春、高校に進学した本友達の、のゆりさんから借りた2冊の絵本を今月は取り上げた。のゆりさんとは、彼女が中学生の頃からの本友達で、互いに本を貸したり、借りたりする仲である。2冊の絵本の名前は、『あか毛のバンダム』、『ちゃぼのバンダム』。2冊とも絵と文は同じ作者だが、訳者が違う。『あか毛のバンダム』は秋野翔一郎訳で、『ちゃぼのバンダム』は乾侑美子訳。このように同じ作者の絵本で、訳者の違うものが、同じ出版社から出されるのは珍しいそうだ。ただ、『ちゃぼのバンダム』は現在品切れ。私は訳の違いもさることながら、絵を描いたロジャー・デュボアザンのやさしい色づかいと、今にも動きだしそうに勢いのある動物のデッサンにすっかり魅了された。ページをめくるごとに田舎の農場で飼われているあひるや、おんどり、牛や豚のにぎやかな鳴き声が今にも聞こえてきそうだ。スイス生まれのロジャー・デュボアザンは76才で亡くなったが、今生きていたら113才。これまでに130冊の絵本を出しているという。「なかでも動物を主人公にした作品は、暖かくユーモアに満ちていて、子どもたちに人生へのやわらかい信頼に導いてくれるようだ」とあとがきにある。彼の描いた他の絵本を存分に読む愉しみができたことに感謝して、のゆりさん、ありがとう。



●『あか毛のバンダム』『ちゃぼのバンダム』
ルイーズ・ファティオ著
童話館出版
各1,404円

六百田麗子
昭和20年生まれ。
予備校で論文の講師をする傍ら本の情報誌「心のガーデニング」の編集人として活躍中。