山本華世の食談義 一二四巡目

Date:2017年11月15日17時49分 | Category:食談義 | Writer:ぐらんざ編集部
素材の味を生かした料理とゆっくりくつろげる空間
わがままをきいてくれる懐の深さが魅力の居酒屋



太朗さん(店主)
大阪での七輪焼きを皮切りに20年以上のキャリアを持つ料理人。「お客様の食べたいものをお出しする」を信条に、スタッフの誠さん(写真=右)とふたりで店を切り盛りする。

山本華世
FBS「めんたいワイド(山本華世のしゃれとんしゃあ!!)」、NEWスタイルメディア「カヨチャンネル」、その他、学校や行政の講演などで活動中。


 お客さんを連れて行って喜ばせたいなぁというときも、プライベートでも通っているのがここ。筑紫女学園のそばにあって、間口もちょっとわかりにくいんだけど、中に入るとゆったり落ち着ける空間が広がっています。メニューにないものでも、ささっと作ってくれるのがうれしいし、そんなに高くないんですよ。

「うちに来られるお客様は、ほぼメニューは見られないんです。『今日は何がある?』と聞かれるか『あれが食べたい』っておっしゃるので」と笑顔で語る店主の太朗さん。柔軟な対応もさることながら、魚は地物、肉や野菜も九州産と素材にもこだわっているとか。

「特に魚は基本的に釣りものしか仕入れません。大島や対馬で漁師さんが釣り上げたものをじかに買い付けるから鮮度が違います。しかも、その魚を釣った本人が店に食べに来られるから料理にも手は抜けません。子供や孫や友達に自慢しながら楽しんでもらっているのを見ると、うれしいですよね」

「素材の味を活かすために、手を加えすぎない料理を心がけています。以前はソースを作ったり、いろいろ試したこともあったんですが、今は極力シンプルに味付けは塩のみ、といった感じに落ち着きました」という太朗さんの料理を目当てにオープン当初の8年前から毎晩、来店されるお客様もいると聞いてびっくり。

「ありがたいことに毎日来てくださるので、店は、ほぼ無休なんです。たまに休業するときは真っ先に『お休みをいただきたいんですが』とご連絡しています(笑)」

 さて今夜、その常連さんのために用意されたのが、写真の「甘鯛と蛤と松茸の大きな土瓶蒸し」。すでにお好みのお酒もテーブルに用意されています。お料理もさることながら、太朗さんのその心配りがうれしいですよね。

 福岡のお店のよさは、おいしい「食」と、居心地のいい「空間」、そしてやっぱりお店の「人」なのではないかと感じます。ところで、このコーナーは今回で最終回。長い間ご愛読いただき、ありがとうございました。


対馬の甘鯛と蛤と松茸の大きな土瓶蒸し
(※写真は4〜5人前)鍋の〆には寿司が出てくる!




吉田家 卓べゑ
☎092・761・7068
福岡市中央区赤坂3-1-2 1F
[営]18:00〜深夜
[休]不定休