特集

どう使う? ふるさと納税でまちづくり

まずは、おさらい!
初心者にやさしいふるさと納税ガイド

 「ふるさと納税」とは、地域人口が減少して税収減に悩む地方自治体の格差是正を目指して2008年に創設された制度。就職や進学を機に地元を離れた人でも、寄付というかたちでふるさとに貢献できるように設定されました。ただ、実際の寄付先は生まれ故郷だけでなく、お世話になった地域や応援したい地域など、全国各地の自治体から自由に選択することができます。寄付した人には、税金の控除に加え、お礼としてその地域ならではの特産品をもらえることで人気が急上昇。自治体側も集まった寄付金を有効活用するのはもちろん、返礼品を通じて地域の魅力を全国にPR。返礼品の需要が高まれば生産者も喜び地域の活性化に繋がるという、寄付者・自治体双方にメリットのある制度となっています。
 地域に貢献しながら楽しく納税できる「ふるさと納税」のポイントは次の通り。↓

◎寄付を通して地域に貢献できる
◎寄付額に応じて地域の特産品(返礼品)がもらえる
◎一定額までの税金が控除される
◎寄付金の使い道が指定できる

 “興味はあるけれどなかなか始められない”方の大半の理由が、申請や確定申告など一見難しそうに見える、ふるさと納税の手続き。その煩雑さを解消するために導入されたのが「ワンストップ特例制度」です。誰でも手軽にできる寄付の流れを確認しながら、ふるさと納税の仕組みを理解しておきましょう。

始めよう!ふるさと納税

手続きの流れ

①寄付する金額を決める
ふるさと納税は原則、自己負担額の2,000円を除いた全額が控除の対象です。つまり、年間の寄付合計額に対して2,000円を超える分については税金から控除されますが、控除には「個人住民税の所得割額の2割」という上限額があり、家族構成や年収等によって額が異なります。上限額を上回らないようにしたい方は、自分の控除上限額を確認しておきましょう。

②寄付先と返礼品を決定し申込む
ふるさと納税の寄付は、事前に寄付先の自治体へ申込みをすることが必要です。その際、ワンストップ特例制度を利用する場合は、別途申請書を取り寄せ、必要事項を明記して返送することをお忘れなく。申し込み方法は、電話やメール、郵送やネットなど自治体によって様々。クレジットカード決済を導入している自治体は、申込みと同時に寄付金の入金もできます。
※自治体によって申請書が異なることがあるので、寄付先の自治体にお問合せを。

③寄付金を入金
寄付金の納付方法も自治体によって異なります。クレジット払いや郵便局の払込取扱票(自治体から送付)での振込なら手数料なし。その他、多くは現金書留や銀行・コンビニでの振込方法など複数の方法から選択できます。また、②~③の申込みから入金まではインターネット上で行える自治体もあります。

④寄付金受領証明書と返礼品の受取り
寄付金の納付後、数週間~数か月程度で「寄付金受領証明書」と返礼品が届きます。前者の証明書は確定申告時にも必要となるので必ず保管しておきましょう。

総控除額は同額

その他ふるさと納税の注意点

返礼品の受付・発送時期に注意
 お歳暮等の贈答用に対応している返礼品もありますが、野菜や魚介類などの場合、収穫時期によって発送や受付期間が変動する場合も。返礼品はあくまでお礼なので、一部を除いて到着日時を指定できない場合がほとんどです。
返礼品は年1回の自治体も
 同じ自治体に複数回寄付しても、返礼品の送付回数は年間で限定する自治体もあります。
ふるさと納税は本人名義で申請
 控除申請ができるのは住民税を納めている本人のみ。夫の代わりに妻が手続きをする際、妻名義の口座から納めると、単なる寄付となり税金控除は適用されません。
居住者の返礼品はナシの場合も
 基本的に居住地の自治体でもふるさと納税することは可能。しかし、寄付できたとしても居住者は返礼品をもらえないケースがあるので、事前に各自治体へ確認しましょう。

時に人を、時に地域環境を、守り育む…
ふるさと寄付金の使い道

 返礼品と同様、地域によって特性が出る寄付金の使い道。なかでも、災害復興や教育など“支援”を目的としたものには注目が集まっています。ふるさと納税の大きな特徴は、納税者自身が支払った寄付金の使途を各自治体の選択肢から決定できること自分が寄付したお金がどのように役立っているのか地域に関心を持つことは、ふるさと納税本来の趣旨に通じることであり、大切なことです。
 自治体ごとにも使い道は複数ありますが、ここではその一例をご紹介しましょう。
 福岡市では、全国に誇れる消防救急体制の構築に向けて「福岡市消防救急基金」を設置し、ふるさと納税で募集。平成28年の熊本地震や平成29年の九州北部豪雨の際には、被災地への消防支援活動を行うことにも繋がっています。
 遠く離れた石川県輪島市では「被災陶器再生プロジェクト」に関わる寄付金をふるさと納税で募集。熊本地震で被害を受けた作品の陶片と輪島塗漆器を組み合わせ、新しい器へと生まれ変わらせる活動に役立てています。
 その他、近年減少傾向にあるサンゴ礁を守るため、ふるさと納税を活用している沖縄県読谷村など、使い道の分野も地域によって様々。気になる詳細は各自治体のホームページでチェックしてみましょう。
※一部の自治体は選択不可

特産苺「あまおう」のように沢山の人から愛される町へ
新宮町の場合

その1離島「相島あいのしま」漁村留学全島協力で島の活性も

 玄界灘に浮かぶ離島相島。人口約270人のうち6割が高齢者で、15歳未満の子どもはわずか17人と、島内の小中学校が存続の危機に。そこで島の団体が初めて企画し始めたのが「漁村留学」。本土の町内に住む小中学生15人が渡船で通学することになり、通学費を全額補助するなど留学生を支援。ふるさと納税の収益金はそこに活用しています。子どもたちは、漁師体験、遠泳、島の伝統行事にも参加。学習効果や島の活性に繋がっています。

上空からみた相島

その2耕作放棄地の再生で安全安心なお米を!

 過疎化に伴い耕作放棄地の増加と食料事情の不安定化が危ぶまれる中、食料自給率の向上を図るため、耕作放棄地の有効利用が求められています。耕作放棄地が増えると、病害虫・雑草の発生要因やゴミの不法投棄場になってしまうケースも。そこで耕作放棄地解消と農地有効利用のために立ち上がった地元の有志たち。農業用機械の導入にふるさと納税を活用し、軽労化と生産拡大、品質向上などに役立てています。

「住みやすさ日本一」を目指し、夢や希望が実現する生活空間へ
久留米市の場合

その1未来に羽ばたけ!くるめっ子
(こども生き生き応援事業)

 子どもの学校生活に関わる諸問題は多岐に渡り、保護者を含め心に寄り添った相談ができる場所が必要となっています。また、待機児童解消のための受入れ施設の整備、保育士人材の確保など継続的に必要とする対策も。そこで「くるめっ子の学力等向上」に向け、ふるさと納税の収益金を活用。小中学校や特別支援学校に置く図書の購入や、小中学校でのスクールカウンセラーによる心の教育などに用いられています。

こども生き生き応援事業の一環イベント

その2救急医療体制の構築でいつまでも健康に

 超高齢社会の進展によって生じる様々な課題に立ち向かうためには、地域コミュニティの仕組みづくり、介護・認知症対策などによる健康寿命の延伸、地域医療の連携強化等を目指した取り組みが必要となっています。そこで、久留米大学病院、久留米広域消防本部との連携のもと、大学病院の医師と看護師が救急車に同乗し現場に向かう「久留米市ドクターカー」の運行にふるさと納税を活用。目指すは重症患者の救命率の向上と後遺症の軽減です。

久留米市ドクターカー

田川にしかない自然・歴史・文化を感じるまちへ
田川市の場合

その12020年東京五輪の事前キャンプ地に

 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会におけるドイツの車いすフェンシングチームの事前キャンプ地に、田川市が決定。選手がより快適な環境で、大会における好成績を残してもらえるように、今後、様々な環境づくりを進めていくことが必要に。現在、市総合体育館のバリアフリー化に向けて改修中。ふるさと納税の収益金を活用することで合宿や練習環境を整備する他、これを機に「障がい者に優しいまちづくり」を目指しています。

Photo:Michael Schwartz
ドイツ車椅子フェンシングチームとの事前キャンプに係る調印式

その2映画の1シーンからまちの魅力を発信

 国内では初となるユネスコ「世界の記憶(世界記憶遺産)」に登録された「山本作兵衛コレクション」など、数々の炭坑遺産を有する田川市。炭鉱の名残から昭和レトロな雰囲気が漂う町として映画やドラマ、CMなどのロケを積極的に誘致した結果、最近は市内で撮影を見かけることも多くなりました。今後も撮影等による地域おこしや田川の魅力を発信していくために、ふるさと納税を活用し“すべての市民が誇れるまち”の実現に注力します。

映画やドラマの撮影誘致・支援を行う
「たがわフィルムコミッション」

「一人ひとりの貢献が地方を変え、そしてより良い未来をつくる。」
総務省 ふるさと納税の理念より

小さなことでも私たち一人ひとりが地域に目を向け行動すれば、地域に活力を生み、日々の暮らしに返ってきます。
みんなが笑顔になる、そのための施策が「ふるさと納税」です。

PAGE TOP