【映画】『ブリット=マリーの幸せなひとりだち』

【映画】『ブリット=マリーの幸せなひとりだち』


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映画『ブリット=マリーの幸せなひとりだち』
■監督:ツヴァ・ノヴォトニー
■出演:ペルニラ・アウグスト 他
■配給:松竹
◎T・ジョイ博多にて公開中

人生100年時代、折り返し過ぎて生き方を、変えることができるでしょうか

 少しずつ日常を取り戻しつつある昨今、久し振りに新作に出会えました。しかも勇気を頂ける作品です。

 今までスウェーデン映画を観る機会はあまりなく、興味津々でスクリーンに向かいました。落ち着いた家具、清潔なキッチン、そしてベッドルーム。主人公の主婦、ブリット=マリーが食卓に朝食を用意、夫のケントと共に席に着きます。どちらもニコリともせず食事を取っています。仕事に出かけるケント。

 ある日、会社からケントが倒れたとの知らせを受け病院に駆けつけますが、そこには肉感的な女性が付き添っています。結婚歴40年、年齢63歳のブリット=マリーは常々思っていた現状からの脱皮を、その愛人を目の当たりにして敢行することにしました。

 仕事探し、田舎町のサッカー場の管理人として赴任。どれもこれも初めてのことばかり。でも彼女は少しずつ充実感を味わい始めます。誰にも知らせず、知らない町で、始めての仕事、そして一人暮らし。朝、子供たちのサッカーに興じる声で目覚めます。ここから状況の変化、彼女の心の変化、しかも男性から声を掛けられ親しくなって行く様。恐るべし63歳と思った次第です。

 彼女の仏頂面は、いつしか柔和な笑みをたたえる表情になり、美しくなっていく様子が心の充実感を表わしていきます。

 しかし、まだまだ問題は山積。だって結婚生活40年の蓄積をそう簡単にはリセットできません。彼女の口癖は「1日ずつよ、1日ずつ」。そのきっかけは子供の頃までさかのぼり、姉との会話にありました。そして、彼女はある決断を下します。

 ストーリーも然ることながら、新進女流監督の丁寧な画面作りや演出に、言葉は要らないほどの切実さが伝わってきます。さて、彼女はご主人のもとに戻るのか、今手に入った環境に身を委ねるのか、それとも更にどこかへ飛び立っていくのか…。

 結果は是非作品をご覧いただいて、納得していただければと思います。あなたにとって「幸せのひとりだち」とは?

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