【映画】『いのちスケッチ』

【映画】『いのちスケッチ』

ヒトと動物。映像と音楽。そして郷土の訛りが温かくブレンドされた、福岡発の感動作


いのちスケッチ

『いのちスケッチ』

【監督】瀬木直貴
【出演】佐藤寛太、藤本泉、渡辺美佐子、武田鉄矢ほか
【配給】ブロードメディア・スタジオ
◎11月8日(金)よりユナイテッド・シネマキャナルシティ13 他にて福岡先行公開(11月15日全国公開) 

 私は小学校2年生まで、熊本の動物園の近くに住んでいました。夜な夜な動物たちの声や唸り声が聞こえ、風向きによっては獣の匂いも漂って来ます。昭和30年代の頃の事です。

 最近の動物園は、色んな工夫がなされていて、ヒトにとっても動物にとっても楽園の様に思えます。果たして本当にそうでしょうか。

 今回の作品では、「ヒトも動物も同じ感情を持っている」という事をあらためて思い知らされました。
 舞台は、大牟田市動物園。ご存知の方にとっては、“延命動物園”という呼び名の方がしっくりくるかもしれませんね。この動物園は1941年に延命公園の一角で、延命動物園として開業しました。実はこの「延命」という言葉は、映画のキーワードでもあります。

 映画の主軸では、福岡出身の若手俳優・佐藤寛太扮する田中亮太の人生への模索。やがて自分の進むべき道を見出して行く様を、動物園での出来事を通して描かれています。
 漫画家を目指して上京したものの、上手くいかない亮太。周りの友人たちはそれぞれの活路を見出しています。苛立つ亮太は目的もなく故郷大牟田へ戻りますが、居酒屋を営む父親(高杢禎彦)からは罵声を浴びせられる始末。母親(浅田美代子)は温かく迎えてくれますが、一番喜んだのは祖母(渡辺美佐子)でした。老いていく祖母の姿に、亮太はいのちの大切さを感じずにはいられません。

 アルバイトで行った動物園では、園長(武田鉄矢)が動物のいのちを守ることに対する情熱を語り、獣医(藤本泉)は国内初の無麻酔採血に一心に取り組みます。働く人々の真剣さや、動物たちを思う真心に触れるうちに自分の出来得る事に気づいていく亮太。彼は少しずつ前に進み始めていきます。
 また、動物たちとのシーンも見逃せないポイント。中でもどう猛なライオンが独特な餌のやり方で採血のために尻尾の毛を大人しく剃らせるシーンは、ドキドキ、圧巻です。

 主題歌は現役医師のユニット、Insheartの『瞳の中のあなた』。ヴォーカルのTOSHIさんは映画の内容が、いのちや家族の絆をテーマに楽曲制作している自分達と志が同じという事でお受けしましたとの事。

 とにかく台詞の大半が方言。シビアな中に温かさを感じます。モフモフ感も見逃せませんよ。

佐久間みな子

佐久間みな子

KBCアナウンサーからKBCシネマにも携わり、現在はフリーアナウンサーへ。会話塾の講師を務める他、コミュニティラジオ天神のパーソナリティとして活躍中。

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